第2205号 2017年4月1日号
アンストッパブル/トニー・スコット
1986年のトム・クルーズ主演映画「トップガン」をヒットさせ一気にメジャーになったトニー・スコット監督(2012年没)が、2010年世に送り出した作品。実話を参考にした渾身の遺作となりました。
映画の舞台はペンシルバニア州のフラー操車場。2000年当時の鉄道事故の設定で、もっぱらディーゼル機関車が貨物や客車をけん引するスタイルです。ほとんどが単線区間なのもアメリカらしく映っています。
最新鋭777号機関車は連結された貨物車含め39両編成で画面に現れます。信号所から、別のレーンへの移動を指示された機関士は緩やかに速度を上げていきます。その前方のポイントが切り替わっていない事に気づいたのでポイントまで走り、手動で切り換えようと車両を飛び降りる。無人の機関車は加速し始めます。その結果切り換えは成功したものの、再度機関室に戻ることは不可能でした。ブレーキ操作を誤ってマスコンがハイパワーモードに入っていたのです。
停止不能暴走列車には有毒物質貨物が繋がれていたことがすぐに確認されてからパニックが起こります。
実話は2001年オハイオ州で起きたCSX8888号暴走事故です。最高時速82キロで約2時間走り続けました。暴走列車に対向して走っていたQ96号が衝突を避けるため待避線に入り、通過を待って逆走します。機関士ジェスさんと車掌のテリーさんが挑んだのは、追いついて連結して止める方法です。しかし追いついたとしてもスピードを落とせば連結器が壊れ、脱線事故なども想定されます。勇敢な2人が停止に成功したのです。
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