第2184号 2016年9月1日
JSA/パク・チャヌク監督
1953年7月に調印された朝鮮戦争休戦協定をよく理解している人は少ないと思います。1950年から続く朝鮮戦争を終わらせた休戦協定と解釈されています。38度線に軍事境界線があるのは知っているが、国境と勘違いしている人がいるのも確かなことです。朝鮮戦争は終わっていません。JSAは南北の軍が軍事境界線上に共同警備をする区域。この映画は2000年に製作され、当時の韓国映画史上の最高入場者数をぬり変えました。
金大中大統領の太陽政策は知る人も多いと思いますが、まさに任期中の政策にマッチしたプロパガンダ映画の集大成ともいえる作品です。
戦争の悲惨さを伝える映画は多くあります。
ここでは、北も、南も同じ民族だからきっと分かり合えるという姿勢を伝えようとしています。(韓国軍兵長)イ・ビョンホン(朝鮮人民軍中士)ソン・ガンホ(中立国監視団スイス軍少佐)イ・ヨンエなどの人気キャスト陣をそろえて、ストーリーがつづられていきます。
物語はJSAのなかった時代にさかのぼり北の兵士と、南の兵士が友情を育んでいきます。お互い兵士として許されない行為だとわかっていながら。休戦協定がなかった時代の回想シーンでは韓国の一兵卒兵士が38度線ギリギリのところで地雷を踏んだのです。踏んだ足を上にあげると爆発するので身動きが取れず、無線で助けを呼ぶが応答は無い緊張がつづく、ついに北の中士に見つかるものの、泣いて助けてくれと懇願します。中士は、絶対に動くなと言い地雷の信管を外し、南の兵士にお守りにしろと渡します。
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