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[連載] 本の紹介

2017年3月20日第2204号


ロボット・イン・ザ・ガーデン/デボラ・インストール

凸凹コンビの世界半周珍道中

PHOTO 【本部・竹腰隆樹記】昨年、スターウォーズの新作上映に世界中がわきました。遠い未来では「意思」を持ったロボットが人類にかかせない物(同志)として描かれています。
 今は日本でも、見た目も人と変わらないロボットがホテル等の受付業務を代行している時代です。ロボットと人間が成長していくロードストーリー「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を紹介します。作者はイギリス人。2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれ、ヨーロッパ、アジア各国で翻訳されています。
 舞台は近未来のイギリス。AI(人工知能)の発展でアンドロイド(人型ロボット)が家事や仕事に従事する社会です。
 富裕者は見た目もスマートなアンドロイドを召使に使っています。
 ある日、薄汚れた典型的な箱型ロボットが、親の遺産で暮らすさえない中年男性ベンの家の庭に突如現れます。ベンは、心に傷を負い引きこもりがち。妻は弁護士でキャリアウーマン。
 そんなベンが心を奮い立たせ、ロボット(名はタング)のために一緒にイギリスから、アメリカ、日本、パラオと世界半周の旅に出る珍道中の物語です。タングに指はありませんが、実は高性能で、旅のさなか「意思」を示し始めます。
 ベンも変わり、両者に絆が生まれます。近未来なのにとイライラする場面もありますが、凸凹コンビを応援せずにはいられません。
 できれば映画化された時には、タングがアールツーディーツーやベイマックスのような人気キャラになってほしいものです。(小学館850円+税)

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