建設業ではたらく仲間をサポート

FAX:03-5332-3972 〒169-0074 新宿区北新宿1-8-16【地図
メニュー

[連載] 本の紹介

2016年4月1日第2169号


私の戦後70年/北海道新聞社

生き方を否定する戦争を拒む

PHOTO 本書は北海道新聞で昨年7月6日から9月19日まで、夕刊1面に連載されたインタビューをまとめたもので、登場した61人のうち、59人分が掲載されている。顔ぶれも多彩で、元スポーツ選手、俳優、歌手、作家、漫画家、政治家など肩書きは様ざまだ。
 インタビューの内容は本書の題名の通り、どのような思いで戦後70年をむかえたかであるが、ちょうど国会での安保関連法案の審議と重なる時期の取材とあって、憲法9条の大切さや集団的自衛権への危惧、安保関連法阻止への思いなどが多く語られている。また平和だからこそ、スポーツ、芸能、芸術活動ができるといった発言や、子どもたちのために平和な世の中にしていこうという発言も多くみられる。
 いわゆる保守派といわれる人の発言もあり、元外交官の東郷和彦さんは安全保障政策で安倍首相を支持すると明言するが、新右翼団体の「一水会」を設立した鈴木邦男さんは「…日本は軍隊を持たないという、世界の中でも先進的な理想をつらぬいてきたんです」と語る。
 これまで私たちが、平和に暮らせてこられたのは、戦争を経験した世代の思いがあるからだと痛感する。
 むのたけじさんはその世代の代表だ。戦中に朝日新聞社の特派員として活動し、戦意高揚に加担したと責任を感じている。むのさんは「自分自身の存在を、例えようもなく大切な存在だと気づかなきゃいけない」「その責任と誇りを感じたら、きっと他人も同じ目で見ると思います。その生き方を否定するのが戦争でしょう」と語る。(北海道新聞社・1296円+税)

> 記事一覧へ戻る

電話:03-5332-3971 FAX:03-5332-3972
〒169-0074 新宿区北新宿1-8-16【地図