歴史のさんぽみち
西武新宿線東村山駅西口
遺跡とトトロの森  ― 森林浴気分満喫できる ―

【東村山・大工・石島弘通信員】
 東村山市には「歴史のさんぽみち」が7コースありますが、その一つ「徳蔵寺・正福寺コース」は西武新宿線東村山駅西口からの出発。駅近くには「東村山停車場の碑」がある。線路沿いに北へ歩くと、多摩地区で最も古い「化成小学校」と「諏訪神社」、「ふるさと歴史館」と続く。歴史館は「みち」を軸に映像や模型、遺跡物で縄文から近世までの展示がある。予備知識としてパンフを分けてもらう。
 次は徳蔵寺、ここは国の重要文化財「元弘の板碑」をはじめ多数の板碑や考古・民族資料が「石碑保存館」で公開されている。さらに「久米川古戦場」の石碑を見て、八国山の「将軍塚」をめざす。八国山は90メートルにみたないところですが、その昔、新田義貞が元弘3年(1333年)の鎌倉攻めの指揮をとったところといわれる。
 ここからは森林浴気分で、尾根道を西に歩くと、北側は埼玉県。南側は東京都が緑地指定したので、自然が残り四季の変化に富んでいる。「トトロの森」の途中で左側に下りると「下宅部遺跡」が「はっけんのもり」として公園になっている。発掘された遺物は歴史館に展示されている。
 次の北山公園は「新東京百景」に選出されており、春は狭山丘陵の桜。初夏には10万本の花菖蒲、秋はコスモスが訪ねる人をいやしてくれる。
 散歩道の最後は「正福寺」、境内には都内唯一の国宝建造物「地蔵堂」がある。室町時代・応永14年(1407年)の建立といわれる。
 また境内には都内最大の「貞和の板碑」がある。秩父青石で高さ2・85メートル、幅55センチメートルあり、前川の橋げたに使われ、梵字の碑銘が川面に移り見えるので橋は、念仏橋、経文橋ともいわれた。この板碑を動かすと疫病が起こるといわれ、たまたま昭和元年に橋を改修した際に赤痢が流行したので、法要を営み現在地に保存した。境内には多くの石碑、小地蔵尊が奉納されている。
 これで6キロメートル2時間のコース。もっと時間をかけても楽しめる「散歩道」。