世田谷公園
東急田園都市線 三軒茶屋駅下車15分
平和願う火灯もる  ― 早朝200人でラジオ体操 ―

【世田谷・ビルメンテナンス・江澤とり記】
 目黒区と境を接する区立世田谷公園(面積7万8957平方メートル)は両区民から親しまれています。春は桜の名所、休日ともなると家族連れの花見客でいっぱいに。夏は大きく育った木々が影をつくり、秋には銀杏の実が拾いきれないほどになるし、冬は噴水池を囲む広い芝生に陽を求める人を誘い、訪れる人に憩いを与えています。
 公園内には、早朝から夜まで使用できる野球場とテニスコ‐ト、プールや洋弓場、1周300mのミニSLもあり、さらに交通公園のエリアにはD51蒸気機関車も展示しています。緑に囲まれ子どもたちが創造的に遊べるプレーパークや芝生ひろばもグループや家族連れなどに十分楽しめる所です。
 この公園は戦前、陸軍練兵場の一部でしたが、戦後の復興計画の中で緑地となり、昭和43年東京100年記念事業の一環として基本構想を一般募集して改修し、その後、都立世田谷公園として整備されたもので、今でも隣接地には自衛隊の基地があります。
 公園には世田谷区が区民の熱望にこたえ、昭和60年8月15日に「平和都市宣言」をおこなった記念として、協賛者による平和の像が建てられています。
 また「平和都市宣言」をおこなってから5周年を記念して「平和の灯」を建立。この灯には広島市の「平和の灯」と長崎市の「誓いの灯」を合火し、今も絶え間なく平和の火を灯し続けています。同時にこれらは彫刻家による作品としても貴重なものです。
 このほか昭和57年、世田谷区制施行50周年を記念してタイムカプセルを噴水池脇の小高いところに設置してあり、50年後の2032年に開くことにしているという。
 日ごろは早朝に200人ものラジオ体操、1周1100mのジョキングコースを走る人、さらに犬と散歩をする人も多い。こうして平和の願いをこめた世田谷公園は四季折々、多くの人に親しまれています。