烏山寺町
京王線地炉背烏山駅下車徒歩15分
大小26の寺が集まり  ― 一日がかりで見物できる ―

【世田谷・塗装・横井清見記】
 烏山は副都心新宿駅から京王線に乗り15分位で着く町だ。飲食店、居酒屋、パーマ屋さんの多い町だと言われている。
 また中型のスーパーマーケットが多く、その店のほとんどが夜遅くまで営業して、客の取り合いになっている。
 甲州街道のバイパスより北側に烏山寺町通りがある。
 大正12年の関東大震災後の復興事業として区画整理によって浅草、築地、上野、麻布、芝あたりにあった寺や墓地がまとまって移転してきた。こうしてできたのが烏山寺町。中央高速道路をくぐる手前にある妙高寺から寺町の一番北にある高源院まで大小26の寺がある。
 徳川秀忠の乳母が建立した幸龍寺。この寺では雨の日も風の日も毎朝鐘をつく。インド風の建物の妙祐寺。徳川家康の囲碁の師匠が始めた永隆寺、豊臣家ゆかりの玄照寺にある獅子の門を過ぎた先の通りが松葉通りである。
 烏山分会のある群長の妹さんがお嫁入りした寺でもある日蓮宗常徳山玄照寺。この寺は昭和3年に芝白金から移ってきた。豊臣秀吉ゆかりの寺で花と緑が多く、烏山分会でとりくむ親子木工まつりで使う竹細工用の竹を毎年いただいている。喜多川歌麿の墓のある専光寺。震災で焼け残った日蓮上人の木像と穴の開いた梵鐘のある妙寿寺等々。
 それぞれ見所のある寺を一日がかりで見物するのもよい。数年前の正月、本部の教宣仲間で寺町を巡って交流会をしたことがあった。
 また現在の烏山はアーレフ(旧オウム真理教)の拠点のある町としても知られるようになった。町会自治会は世田谷区役所も交えて反対運動をしている。集会・デモの際にはハンドマイクで「早く家に帰りなさい」と呼びかけると、窓を少しだけあけて若者が恨めしそうな顔で見ている事がある。今年の秋が契約の期限が切れる。その後はどうなるのか心配である。