日暮里
JR山手線 日暮里駅下車徒歩2〜5分
消えゆく駄菓子問屋街  ― 再開発で下町情緒はどこへ ―

【荒川・大工・小丸輝至記】
 日暮里は住むには良い所だ。下町の雰囲気が溢れている。どこへ行くにも便利な交通網も発達している。
 JR山手線日暮里駅北口を出ると正面右のロータリーの中に太田道灌の銅像がある。左側の狭い路地には戦後すぐに出来た駄菓子問屋街。一時期には100軒近くあったものだが、今は10軒たらずが残っているのみだ。それでも年輩者や若者たちで賑わっている。都市再開発によってなくなるという。また名所が消えるのは寂しいことだ。
 中央通りには、東京の新名所にもなっている日暮里繊維街がある。所狭しと道の両側に延々と1キロにも及び店が出ている。人、人、人の波。日中は歩くのが大変なくらいだ。自転車が道を塞いでいる。駅に行く人たちは横道を歩いていく。
 中央バス通りより、北側奥に行くと、戦災をまぬがれた「骨董的な」家が数軒ある。
 小中学校は現在生徒数がきわめて少なく、廃校になる恐れがあった。ところが都市再開発により5〜6棟の高層ビルが建設されることで、住民の増加が見込まれ、それを免れる。今後は他区に通学している子どもも戻ってくるかもしれない。
 春に桜が咲く頃には大勢の人で賑わう。夏には子どもの水遊び場がある。遠いところから子どもたちが親に連れられて遊びに来ている。
 一年中、年輩者、近所の人たち、遠い所から来る人たち、若い母親が子どもを連れて遊んでいる。
 公園の隣に駄菓子屋があり、そこで売っているタマラメ(カップラーメンに茹で卵を入れたもの)を食べる子どもたちで店の中は蜂の巣をつついたようだ。