確定申告の準備を
消費税対策が重要です
総選挙後の国会を、「消費税増税論者が増えた」と評価する石政府税調会長。税調答申には大衆増税メニューがずらりと並んでいます。さらに、今年の税制改悪による消費税申告の重い負担が私たちに襲いかかって来ます。
 政府税制調査会(首相の諮問機関)の石会長は11日の会見で、「あえて総選挙の効果を言うなら、(増税など)痛みを伴う税制改革については(これまで各党は)極力避けてきた。あえて税調だけが先頭を切って言ってきたが、今後はこの議論について追随してくれる方がだいぶ出てきた」と述べ、消費税増税論者が増えた選挙結果を評価しました。「2大政党制」が国民のためではなく、政府・財界の要求に沿ったものであることを税調の最高責任者が認めたことになります。
 政府税調が11月20日答申した今後の各種税制の増税メニューは以下のとおりです。
 所得減税の見直し・年金受給者の所得控除の縮減・住宅取得減税、ローン減税の廃止・個人住民税「均等割」の引き上げ。消費税増税論議は来年度から着手、税率10%以上にする場合の軽減税率導入の検討に入る。正に庶民、大衆増税のオンパレードです。
 一方、法人税では、連結付加税を予定通り廃止。欠損金のくり越し控除期間の延長(5年を7年に)など、今でさえ大きく優遇されている大企業には減税メニューが並んでいます。
 増税額と減税額がつり合うことを「税制の中立」(政府)というのだそうです。
 さて、今年度の確定申告対策の中心は、消費税対策です。これまで売上(収入)3000万円までの事業者は、非課税業者であり、消費税の面倒な計算も申告の必要もありませんでしたが、今年の税制改悪により、免税点が3000万円から1000万円に引き下げられました。
 これによって、136万の事業者(社)が新たに消費税の課税業者になるといわれ、組合の仲間の多くも課税業者になると予測されています。
 重要なことは、今年(平成15年が基準年度)の売上(収入)高が1000万円を越えているかどうかで、平成17年分から消費税の課税業者となるか、ならないかの別れ道です。課税業者となると消費税申告のための事務負担も重くのしかかってきます。
 その点で、頼りになるのが組合です。仮に課税業者となる場合でも自主記帳、自主計算の手ほどきから適切なアドバイスが受けられます。

 2004年版「税金対策の手引き」が完成しました(写真左上)。2003年度税制改悪についてもまとめて掲載しましたので、申告対策の手引きとしてはもちろん、消費税増税など税金をめぐる情勢や事後調査対策学習会用の教材としても活用します。
 また、税研発行の平成16年3月申告用「確定申告の手引き」は、申告相談用として1月に注文を受け付けます(定価1、800円+消費税のところ2割引の予定)。