加入の動機はさまざま
建築カレッジ講師も3人
上左から梅谷さん、石塚さん、濱田さん、下左赤井さん、小川さん
2017年東京土建結成70年を迎えて、今後の建設業を担う、現在も現場の戦力となっている30歳代の青年組合員5人に集まっていただき、現状と仕事や家族、未来への希望について座談会を開いて語り合いました。
ご参加いただいたのは石塚貴紀さん(清瀬久留米・防水)、小川智史さん(狛江・大工)、梅谷佳成さん(品川・大工)、赤井立矢さん(江戸川・大工)、濱田修さん(八王子・左官)です。うち、石塚さん、浜田さんは現場から、小川さん、梅谷さん、赤井さんの3人は東京建築カレッジの講師をされており、池袋の本校舎より駆けつけていただきました。カレッジの講師陣以外は初めて知り合う仲間です。
石塚 今日はみなさんお仕事ご苦労様でした。最初に到着した私が進行役を務めます。このような経験はしたことがないのでうまくできるかわかりませんがよろしくお願いします。では、自己紹介から始めましょう。私が防水工事を始めたきっかけは、もともと無職でしたがちょうど日当のよさそうな事業所の紹介があってそこで落ちついて働いています。
東京土建に入ったのは4、5年前かと思いますが、子どもができて健康保険が必要になったのと、労災保険に入る必要があったので加入しました。分会の書記長をしています。
小川 私は狛江支部所属となっていますが、親方の事業所が狛江支部に入っているのでそのつながりで加入しています。
結婚して子どもも
働いて食べさせないと
初めて会ったとは思えないほど盛り上がる5人
支部では親方が役員をしている関係で、分会役員が足りないということで、分会専門部長になっています。実際は、自宅が離れているので毎回出席するのは困難な状況です。
梅谷 私はこうみえて事業主なんです。先代の社長が引退して私に代わったのですが、東京土建に加入したのは約20年前、先代から土建に入れと言われました。支部では特に役員はしていません。
赤井 建築カレッジに入学するときに組合に加入しました。そのときすでに、結婚、子どもが2人いたので働いて稼ぐことが必要でした。今ではカレッジの指導員をさせてもらっています。
濱田 最初はハローワークに行ったんです。少しでも稼げる仕事はないかと、そこで左官の事業所を紹介されて仕事を始めました。10年ぐらい務めたあと独立してやっています。
石塚 大工の道具について興味があるんですが、カレッジのみなさんに聞いてもいいでしょうか。カンナやノミとか、道具専門店などに行くと値段の高いものから安いものもありますがどう違うんですか。
梅谷 道具はそれぞれ好みだと思いますよ。使っていれば愛着もわくし、大事にします。値段で良し悪しはつけられないですね。
石塚 なるほど、そうですか。ついでに思い付きで聞いて申し訳ありませんが、プレカットの材料をよく見ますが、出回っているのはみんなプレカット材なんですか。
梅谷 そうですね、工場生産材ですね。ほとんどそうじゃないですか。
石塚 乱暴な言い方だと思いますがプラモデルのように建てられちゃうんですか。例えば、大工の親方が1人いて指示すればあとは経験が浅い人でもできるとか。
小川 昔からの手作業でやってきた大工も建て方は同じですよ、自分で加工するか、工場で作った材料を使うかの違いです。
梅谷 「建前にノミは持って行かない」って昔から言われてるんですよね。「刻みに自信がないのか」と思われちゃうからでしょうね。そこが大工の腕の見せ所でもあるんですよ。まあ私は持ってってますけど。(一同笑い)
息子に継いでほしい
自分も生涯現役が夢
石塚 さて最後に、東京土建が100周年を迎えたとき、いわば30年後について、みなさんはどのようになっていたいですか。私は仕事を続けながら、息子が自分の仕事を継いで一人前になっている姿を見たいですね。
小川 今より楽しく仕事していたいですね。
梅谷 やはり、30年後も現場で働いていたいですね。
赤井 この仕事に定年はないと思います。自分の親方のように生涯現役が夢です。
濱田 30年経てば息子も結婚して孫がいるかもしれない。そんな家族でBBQやれたらたのしいでしょうね。
石塚 みなさん、お互い100周年迎えたときは元気で働いていて、そして夢がかなっているといいですよね。今日はありがとうございました。