代休の正しい理解を
社員の意見も取り入れ運用
会社が社員に休日労働をさせた場合、「代休」を与えることがよく行なわれています。しかし、この「代休」がその後、消化されずに貯まり続け「どのように対応したらいいのか」という質問を受けます。ここで一度「代休」について整理をしてみましょう。
「代休」とは、事業所の所定休日に労働をさせその代償として、その日以後の特定の労働日を「代休」として労働の義務を免除する(休ませる)ことをいいます。
注意することは、「代休」は法で必ず与えなければならないものではなく、事業主の恩恵的な性格をもっているということです。休日出勤をしたその日は、始業から終業までまる1日が割増し(法定休日は135%、他の所定休日であれば125%)の対象となります。
一方、「代休」は、法定の休みではないため、就業規則で「代休は無給とする」と定めることも可能になります。これにより結果的には、休日出勤の割増し部分(35%または25%)の支払いは発生するものの、「振休」のように単に「休日」と「労働日」を振替えただけの効果があります。
また、「代休」は法定の休日ではないので、労基法・第35条「休日(4週間に4日の休日を与えなければならない)」に拘束されず、休日出勤した日の直近に与える必要もありません。
例えば2カ月後のある特定日に与えてもよいことになります。
そのためこの運用が「代休」を貯まり易くする原因にもなっています。
対策としては、就業規則に例えば「代休は発生後3カ月で消滅する」と明記することなどが必要でしょう。
以上のことを踏まえた上で、「代休」をそれぞれの事業所にあわせて、社員さんの意見も取り入れながら運用をすることが望まれます。
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