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○ 原水禁世界大会参加の感想

 原水爆禁止世界大会は被爆の実相を世界へ発信する重要な役割を果たしています。東京土建本部は8月4日から6日、2016原水爆禁止世界大会・広島大会に19人の代表団を派遣しました。参加者の感想を紹介します。

核は戦争を抑止しない
撤廃のルールと無力化を

 【本部・大宮早紀子記】核兵器のない平和で公正な世界を求める原水爆禁止世界大会2016広島大会に、平井保団長(本部副委員長)を先頭に本部中執と文京、品川、西多摩支部および青年部、主婦の会から19人が参加しました。全体会会場の県立総合体育館グリーンアリーナには4500人の参加者が集まり基調報告や被爆者からの訴え、高校生団体の登壇など、多角的な核兵器廃絶や平和への提言がありました。1日目の夕方はメルパルク広島で懇親会を開催し、本部代表団と各支部代表団で計17支部51人が参加しました。青年部が会場を盛り上げ、交流を深めました。
 2日目は分科会「映像のひろば」に参加し、3本の平和行進に関する映像を鑑賞しました。平和行進の変遷がわかるよう、初期・中期・昨年のドキュメンタリーが上映されました。参加者から募金の集金方法や費用、宿泊や警察への対応、コールの工夫などの報告がありました。時代の流れで、平和行進が昔の素朴でシンプルなものから、にぎやかでシステム化されたものに変わったことがわかりました。
 3日目の閉会総会では、被爆2世・3世の歌手による歌唱や海外からの参加者による非核化への提言が行なわれ、最後にヒロシマアピールが宣言されて次の長崎大会につなげました。
 核兵器が戦争を防ぐ抑止力となり、世界の平和を構築できるとは思えません。現時点で人類は核エネルギーを制御できないことは、広島・長崎での被害や核実験、原発事故をみれば明らかで、核兵器を放った場所は生物が死滅という高いリスクがあります。では、核兵器への核エネルギー転用をやめさせ、廃棄させることは可能なのか。そのための国際ルールづくりが急務ですが、核兵器の技術は残ります。多くの嘘つき虐殺者がいる世界で、そのルールは破られてしまうのではないか。
 原水禁大会に行き、世界各国の方がたの意見を聞いて、戦争は悲惨だと感じるだけでなく、現在戦禍の中にいる人びとをどうやって助けるか、核兵器を撤廃するルール作りと核を無力化できる技術作りといった、次の段階の議論が、核兵器のない平和な社会の構築のために必要なのではないかと感じました。意見の一致が難しい、結論がでない課題ですが、これからも考え、学んでいきたいと思います。

署名は政府を動かす
大会が被爆者の思い繋ぐ

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被爆者が訴える署名が共感を呼んだ

 【西多摩・左官・山口亮祐記】2日目の分科会では「核兵器全面禁止のために|政府とNGOの対話」に参加しました。内容は、4人の政府代表の方がたの報告を聞きました。それについて質疑応答、討論をしていくものでした。その話の中で平和運動の中で最も重要なのは署名活動が政府に一番圧力をかけることができるということです。そしてメディアやSNSなどを活用して一人でも多くの人びとに知らせていくこと、特に若い人たちが積極的に参加していくことで運動が前進していくということでした。
 そして71回目の8月6日の朝を迎えました。1発のウラン原爆が投下され人類歴史上初めて使用されました。広島はその年の末までに約14万人の死者がでたそうです。平和記念資料館では当時の原爆での悲惨さや凄惨さがみてわかるように写真や模型、衣料品などを展示していました。特に、目に留まったのは被ばくした人が人形のように動かない、皮膚が焼け、ずるずるになっている写真でした。その写真をみたとき、正直、人間がこんなことになってしまうのだと原爆の恐ろしさを改めて感じました。そして、今も原爆の被害で心と体の傷を負い、苦しめられているのです。
 私は、この大会を通じて「平和とは何か」について考えていましたが明確な答えはでませんでした。しかし、一つわかったことが被ばく2世や3世の方がたの思いや願いを大会などで繋いでいることです。それは今、核兵器のない平和な世界へと大きな「輪」になってきています。
 組合と同じく人と人との繋がりが平和運動にはかかせないものだと強く感じ、これからも友人や自分の子どもに平和への思いや願いを伝えていきたいと思いました。

「INORI」に感涙
平和のありがたさを実感

 【小平東村山・主婦・佐々木美代子記】大会2日目、私は広島県健康福祉センターでの分科会に出席しました。出席者は220人でした。「戦争法を廃止し憲法生きる日本を」のテーマで、関西学院法学部教授の富田宏治先生が、資料をスクリーンに映し、詳しく説明してくださりました。今回の参議院選で安倍政権を変えることはできなかったが、結果は以前より安倍政権に反対している人が増えていることが調べによりわかっているとのことです。また、3年間で改憲反対が37%から55%に増えていることもわかっているそうです。
 ではこの先どうしていけば良いのか、私たちにはタイムリミットがないので、これから長期戦でたたかっていけば良い、しっかりと運動を進めていけば変えることができると先生は言いました。
 閉会総会で感動したことがあります。佐々木祐滋さんの「INORI」という歌で、原爆の子の像のモデル佐々木禎子さんの気持ちを「僕は歌で語り継ぎ、つなげていきたい」と思いを話していました。歌を聴いていて、涙が次から次へと止まりませんでした。とてもいい歌でした。会場からは、これからも広島の悲劇を語り継ぐことが大切なのですというメッセージもありました。
 この3日間、自分の目で見て話を聞き、あらためて平和のありがたさや大切さを実感し、これからの平和について、戦争法のことも勉強させていただき私に何ができるのかしっかり考え、これから生かしたいと思います。

初参加3分の2も
体験周囲に伝えていく

 【品川・防水・佐藤博信記】2日目の分科会は核兵器と原発です。被爆者のお話、ロシアから、チェルノブイリ原発事故で放射線の危険性を伝えないまま作業させて何千人もの死亡者を出したことなど核兵器禁止、廃絶、国際署名の必要性、盛り上がりなどの訴えがありました。
 福島からの原発被害避難者は風評被害、変わらない現実とのたたかいである、また補償金など打ち切られそうだとのこと。主催者から初参加の方はといわれ、手をあげると3分の2でした。1人でも多くの人に来てみて学んで経験することをつなげている大会なのだと感じました。
 3日目閉会総会では、広島、マーシャル諸島共和国原水爆実験所、チェルノブイリ原発事故、福島原発事故からの悲しく、心痛い報告があり、2度と繰り返すなと核廃絶の訴えと、全国規模でやっている平和行進の参加者の報告です。高齢者が多く、ちょっと心配しましたが、毎年行進している元気な方がたです。被爆者の願いは核なき世界、オバマ米大統領の核兵器のない世界を追求する勇気をもたなければならない、との訴えは核保有国に対して大きな一歩になっているのだろうか。半世紀以上も前から勇気をもってたたかう、被爆者の方がた、広島の方がたがいます。そして26の国から89人の各国の団体、地域団体、個人及び政府、国際機関代表の方がたが賛同者、応援団です。
 この大会を通して学んだこと、体験したことを自分と周りの人に伝える、伝えられる原水爆禁止世界大会参加でありたいと強く思いました。

職人犠牲者を追悼
人見委員長千羽鶴を献納

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職人の碑に千羽鶴を献納する人見委員長

 全建総連と広島建労は8月5日、広島平和記念公園内「原爆犠牲建設労働者・職人の碑」前で「原爆犠牲建設労働者・職人の碑『慰霊祭』」を開催し、32県連・組合から184人が参加しました。開会の辞の後、全員が黙とうし、原爆の犠牲となった建設労働者・職人を追悼。核兵器のない平和な世界を築きあげるため全力をあげることを誓いました。東京土建からは人見委員長と白滝書記長が参加し、仲間の思いが込められた千羽鶴の献納と名水の献水を行ないました。

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