事故へ備える保険を
責任の所在をよく見直して
社会保険の加入促進の話題から、建設現場にかかわる保険全般について知りたいという声が増えてきました。
安全協力会などでお話しする機会も増えています。そこで、社会保険以外で知っておきたい保険についてご紹介します。
建設現場で発生した事故責任をカバーする保険の種類は、大きく分けて3つあります。
1・賠償責任関係、2・モノ関係、3・その他(=ヒト関係)の3種類です。
1・賠償責任関係は、工事等の請負業務や施設の管理、仕事の遂行、販売した製品・施結果による第三者への対人・対物賠償の責任をカバーするものです。
2・モノ関係の保険は、工事用資材等に対する不測かつ突発的な事故の損害をカバーするものです。
3・その他の保険は、労働者に関するものです。急激かつ偶然な外来の事故による怪我をカバーする傷害保険や、国が行う労災保険の上乗せ労災などがあります。「事故やトラブルは発生しない、大丈夫だ」という先入観で契約や工事を進めがちです。そのため、どのようなケースで、誰が何の責任を負わなければならないかを明確にしていません。それが、事故発生後の対応を遅らせてしまったり、責任逃れをしあったりする結果になりかねません。
元請・下請・発注者のどこに位置し、工事内容や取り扱うモノなどについてどのような責任を負っているかを見直してみましょう。
社会保険の加入に加え、必要な保険を選択しておくことは、安心安全な事業活動の一助となるでしょう。1・2はどけん共済会の「総合賠償責任保障プラン」、3は国の「労働者災害補償保険」(労災保険)と、どけん共済会の「労働災害総合保険」があります。各支部で相談受付しています。 労務士 岩戸 佐紀
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