通勤定期券や食事も
現物支給は算定の対象です
厚生年金や社会保険に加入している事業所は、毎年7月1日から10日までの間に保険料の額を決めるための申告を行わなければなりません。この申告を行うにあたって用意しなければならないのが、被保険者報酬月額算定基礎届(算定基礎届と略します)という書類で、この届出に基づいて、向こう1年間の従業員と会社が負担しなければならない保険料が確定します。この保険料決定の手続を定時決定といいます。
4月から6月まで、それぞれの月に支払った賃金(報酬)の平均額に基づいて、保険料計算の元になる「等級」を決定するのですが、賃金には金銭で支払ったものだけではなく、現物で支給されたものも含まれますので注意が必要です。現物支給の例として、通勤定期券や食事が提供されているような場合があり、これらについては一定の基準で上乗せしなければならないこととされています。
通常は算定基礎届などを年金事務所に郵送すれば良いのですが、書類を持って年金事務所に直接出向くよう通知されることがあります(定時決定調査)。これは年金機構が、被保険者の加入漏れが無いか、保険料が適切に徴収されているかなどをチェックするために実施しているもので、4~5年ごとにこの定時決定調査の通知があると言われています。
準備する書類には、算定基礎届などの他に賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、源泉所得税領収証書等があります。こうした書類をスムーズに準備するためにも、給与計算、労働時間管理など労務管理をきちんとしておくことが大切です。算定基礎届作成のため相談窓口を開設している支部もあるようです。定時決定調査の通知が届いたら、そうした土建組合の相談窓口も活用して準備を整えましょう。
> 記事一覧へ戻る