技術に相応の賃金を
保障されるべき地位と収入
分散会では全員が発言し支部や分会の経験を交流した
【江戸川・木工・木賀芳彦記】需要がふえれば、価格が上がるのは経済の原則ですが、建設業界に限らず、介護、保育の現場でも低賃金、人手不足はいっこうに解決の方向が見えません。
本来、ドイツのマイスター制度のように一定の技術を身につけた人には、社会的地位とそれに見合う収入が保障されるべきです。
今の日本は上位企業が利益を独占し、その正社員は恩恵を受けますが、実際にモノ作りにたずさわる者は安い賃金で使い捨てにされます。
野生動物のように個個の力の弱い者は群れをなして立ち向かうしかありません。
賃上げと待遇改善で
組合に参加できる環境作る
【町田・配管・清水健記】後継者不足は町田支部でも大きな問題になっています。
後継者育成、役員の若返りを進めるため、後継者対策部を中心に若年組合員の発掘、組合活動への定着に取り組んでいます。
しかし、離職よる脱退は依然として多く、なかなか定着に至りません。
定着しつつある若年組合員も低賃金、長時間労働の環境の中、組合活動に参加したくてもできないのが現状です。
労働環境の改善、賃金引き上げ、権利確立のため、今こそ組合に結集し、要求実現のための運動を発展させ、若者にとって魅力ある建設産業にと思いました。
50代~64歳で結成
困った時は「盛年会」へ
【多摩西部・LGSボード・大関勝義記】多摩西部支部の組合役員の育成について、若手の組合役員の後継者をつくるのに苦労をしています。
各分会においても役員の高齢化がすすみ、次年度の役員の成り手を探すのにも大変苦労しています。
その中で組織部として2015年度に50代から64歳以下で「盛年会」をつくり、仕事や組合活動だけでなく、困った時の相談や仕事以外で会話をし、レクレーションなど楽しみもあることを訴え、そこから役員をつくり、その人が若い役員につなげていくよう努力しています。組合を存続させるためにも、若い組合役員をつくることは大きな課題だと思います。
組合のネームバリュー利用
【板橋・内装仕上・成瀬晃一通信員】一人親方でほとんどが町場の仕事の私の立場から、仕事をどうやって確保してきたか。
看板を掲げ、東京土建のポスターを貼りだしてネームバリューを利用します。
近所の小さな仕事をていねいにこなし、その種の積み重ねが信頼に変わり、大規模リフォームの依頼につながることもあります。
また、年賀状、お歳暮、お中元などでつながりを深めることで、リピーターがまた別のお客さんを紹介してくれたりします。
さらに、町内のイベントに参加して顔をおぼえてもらえることで、安心感もあると思います。
仕事を断らないことも大事なことで、やったことがない仕事も検討し、手に負えない案件は分会の住宅センターに相談しています。
賃金引き上げについては、見積りの段階で材料の値上がりについて、きちんと説明することや、消費税はいただくのではなく、あずかるということを説明して理解してもらう努力も大切です。
常にスキルアップを心がけていれば、仕事はなくなることはありません。
信頼する仲間で仕事は安心です
【三鷹武蔵野・内装・佐渡荘記】私は個人で内装仕上げをしています。
私のお客さまは戸建てとマンションの一般家庭と、賃貸マンションのオーナーさんからの直仕事ですので、内装だけにとどまらず、リフォームなどなんでも頼まれます。
自分ではできないことでも、できないといいません。近くのペンキ屋さん、それから組合の仲間に頼めば、なんでもできるからです。
60歳を過ぎてから、第2種電気工事士の資格をとったり、また、新製品が出るとメーカーの講習会に行って、工事の仕事をおぼえたりしています。
新製品はお客さまのほうがしっていたりします。省エネ製品や新製品をすすめて、単価を上げたり、売上をふやしたりしています。