「けんせつ」通信員の仲間が選んだ「２０１５年私の漢字」。２１５７号の続報です。読者の皆さんはどんな漢字一字を思い浮かべますか。
「逃」げまくる安倍首相
所信表明せず外国にスタコラ
【日野・空調・西村滋雄通信員】「逃」でしょう。安倍内閣はこの１年間逃げまくっています。憲法解釈の変更で、立憲主義という行政がもっともだいじにしなくてはならない所から大逃げをし、国会答弁でも訳の分からないことばをくり返し、追いかけて行くのはアメリカの影。国会外で国民が声をあげるのにきく耳も持たずにトンズラ。安倍さん、背中を見せずに国民の方を向いてよネ。
内閣再編成したのに、所信表明をせず外国にスタコラ行ってしまう。外国では饒舌（じょうぜつ）になのに、国内では「寄りそいながら」とか「ていねいに説明していく」の一点張り。しまいには臨時国会も開かずに、トルコへ。沖縄、憲法、国会ことごとく逃げられた１年でした。
企業不祥事に「謝」罪
お世話になった人には感「謝」
【江東・設計・高木礼介通信員】私の考える今年の漢字といえば「謝」だと思います。
異物混入から始まった今年ですが、私の身の回りでも食べていたあんみつに石が入っていたりと、身近な問題でした。
他にも欠陥住宅問題、マイナンバーを巡る不祥事の数かず、年金の情報漏えい…。多くの企業が不祥事を起こしては「謝」罪していた印象があります。
マイナスの意味の「謝」のみならず、私にとっては感「謝」の意味も強くあります。今年、２０歳を迎え、あらためてお世話になった人びとに感謝していきたいと、今年一年を過ごしてきました。
いろいろな意味を込めての「謝」という文字ですが、不祥事を起こしてしまった企業については、もちろん責任を取ったうえで再発防止に努めてもらいたいですし、同様の事態にならないよう、企業全体が対岸の火事として受け取らないでもらいたいです。
「安」保法に怒り心頭
不「安」定な仕事に「安」い賃金
【中野・書記・高橋恵喜通信員】２０１５年といえば、「安」という漢字が思い浮かびます。
９月に強行採決された安保法。戦争に巻き込まれるのではないかという国民の不安もまったく意に介さない政府・与党の強引なやり方には、はらわたが煮えくり返る思いです。
もう一つ、安保法と一緒にドサクサまぎれに通った労働者派遣法の改正案。非正規雇用がふえ続ける中、さらなる雇用の破壊につながるのではないかと危惧しています。不「安」定な仕事に、「安」い賃金。今のままで本当に私たちが安心してくらせる社会が実現できるとは到底思えません。
ＳＥＡＬＤｓを始めとする若い人たちが政治に対し声を上げ始めました。今こそ国民の声に耳を傾け、国民本位の政治をすべき時ではないでしょうか。どう思いますか、「安」倍総理。
平「和」で暮らせる世界
トルコの爆発死者に心痛む
【荒川・看板・川又好一通信員】戦火の故郷から希望を抱いてヨーロッパに逃れた中東やアフリカなど難民の人びと。トルコの首都アンカラで１０月１０日午前（日本時間同日午後）、連続して２回の爆発があり、１６８人が負傷したと発表された。トルコ大統領は国の平和と団結を狙ったテロと断定したと発表した。
ロシアの空爆で、民間人にも被害をおよぼす非人道兵器のクラスター爆弾を使用している可能性が高いといわれている。つい最近でも世界では、国と国、宗教問題、テロリストとの戦いで、尊い命を奪い合うできごとが毎日起こっている。どうか平和で暮らせる世界になるように、平和の「和」を私が考える２０１５年の漢字としたい。
失敗くり返し「酒」やめよか
【世田谷・コンクリート圧送・江沢昌也通信員】私がお酒を飲むことは今年に限ったことではありませんが、今年は特にお酒にまつわる失敗が多かったので、「酒」の字を選びました。
休みの前日など外でお酒を飲みだすと、行く先先のお店に友人がいたり、となりに居合わせた方と話やカラオケで盛り上がります。そのうちに時間も忘れて長いお酒になることが時どきあり、大いに酔っ払ってしまい、結果として、周りの方に迷惑をおかけしたり、約束や予定を忘れるなど失敗をしてしまいます。
先日も友人に注意されることがあり、大変反省しているところです。一時は「お酒をやめようか」とも思いましたが、それは時期的にもむずかしい状況です。そこで私としては、せめて一人で飲み歩くことだけでもやめようと決めました。
この誓いをまっとうすることができるかは分かりませんが、努力はする所存でがんばります。
「護」りたい平和
マイナンバーでも不安は大
【豊島・主婦・相良眞理通信員】「護」です。護憲を今年ほど感じた年はありません。国民の意見をきかない政府・与党に驚きました。若者やママたちが立ち上がり、自分たちの生活を護ろうとしたのがうれしいことでした。
憲法だけでなく、護身も必要な世の中です。マイナンバーも十分な周知もなく来年から実施されます。税金の申告や銀行預金にもマイナンバーの記載が必要になるとどうなるか不安でいっぱいです。将来、子や孫に残したいのは平和な世の中。「アベ政治を許さない」を合言葉にまだまだ行動しようと思っています。
「戦」争を深刻に考え
小さい力を大きな和の力に
【江東・内装・山田義友通信員】私の考える２０１５年の漢字は「戦」。今年ほど平和、憲法、戦争について考えた年はなく、発信したこともなかったと思う。私の「戦」は相手を破壊し消滅させるのではなく、私自身の平和に対する思い、憲法に対する考え方、戦争に対する考え方を相手に明確に発信し、相手の考え方をきちんとききだし、賛成できるところ、反対する部分を公然と意見を戦わせる。
しかし現実はむずかしくて、一方通行ばかりだ。安倍政権に対し声をあげ平和、憲法、反戦を唱えても一方通行に終っても続ける力と体を持ち、小さい力を大きな和の力に変えて「戦」、この漢字がすぐに頭に浮かんだ。
世界と日本で氾「濫」
【墨田・タイル・浅見英夫通信員】「濫（らん）」はどうでしょうか。近年温暖化やエルニーニョ現象、環境破壊等が注目されて久しいですが、私たちの日常生活に影響をおよぼし始めてきました。
今年を振り返ると、世界各地での集中豪雨や長雨、巨大台風といった水にまつわるニュースが絶え間なく流されました。アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国そして日本でも、呼び名は違えども台風の巨大化と同じ場所に居すわり続けるゆえの豪雨被害が多発、低気圧の連続発生での長雨など枚挙にいとまがありません。記憶に新しい「鬼怒川堤防決壊」は衝撃的で悲惨さは地震、津波とはまた違う意味で心を揺さぶられました。
「濫」は水を表わす扁（へん）と旁（つくり）の「監」とを合わせた字。水があふれ出て回り広がることから「みだりに」の意味にも使われます。くれぐれもみだりに起こらないことを祈って。
「嘘」と建前で社会が作られ
【板橋・シャッター工事・内田恒夫通信員】私が選んだのは「嘘」。秘密保護法の問題、安保法制の問題、ヘイトスピーチ、ＳＥＡＬＤｓ、それに対する執拗なまでのバッシング、原発事故を隠蔽（いんぺい）する風潮、社会全体の規範が緩み、退廃的な雰囲気を醸成（じょうせい）し、少しずついやな感じがにじみでてきている気がする。
女性参画社会が叫ばれるが、保育園の待機問題は３０年前と大して変わらないし、援助交際と名を変えた買春をする大人も減った話はきかない。いじめられて命を絶つ子どもも減ることもなく、いじめ自体も陰惨な形をとっているらしい。女性や子どもが希望を持てなくては社会の発展は望めないのに、現実にはますます逆行している感じがする。今だけ、俺だけ、金だけが今の社会の基本になっているといった人がいたが、否定することもできない。
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