【技術研修センター・吉川新吾記】東京建築カレッジは、東京土建がつくった学校です。今年は開校20年。卒業生の中には東京土建の活動家として活躍中の仲間も多くいます。カレッジでは「けんせつ」への投稿や、「カレッジ通信」や「フェイスブック」を通じて、授業や研修生のようすを紹介しています。全建総連第31回全国青年技能競技大会に出場した第19期生(2年生)・大野成美さんにインタビューしました。「ここにくれば元気になれる、成長できる!」。大野さんの言葉からカレッジの魅力が伝わってきます。
大野成美さん
─全国青年技能競技大会、お疲れさまでした。
やっぱりレベルがケタ違いで、全国の高い水準の作品を見て意識が変わりました。今回から始まった「女性出場枠」で他県の女性3人と交流できたのもよかった。特に、女性のトップ「けんせつ小町特別賞」を受賞した門馬菜々さん(長野県建設労連)には刺激を受けました。あのレベルに最低限近づきたい、という目標ができました。
─ところで、カレッジ入学のきっかけは。
私の家族には建設関係で働いている人はいません。でも、小さいころから現場でバリバリ働いている大工さんのかっこよさにあこがれていていました。進路としてかたまったのは都立蔵前工業高校建築科に入ったころ。当初、就職は「住みこみで大工仕事ができる所はないかな」と思っていましたが、担任の先生からカレッジをきき「働きながら勉強するのもいい」と思うようになり、高校3年の夏に江東実習場で開かれた見学会に参加し、アットホームで居心地がよくて入学を決めました。就職先(河合工務店・中野支部)もカレッジから紹介していただきました。
─入ってよかったことは。
一番大きいのは、同じ世界で向上しようとする、たくさんの仲間と出会えたこと。スタートラインもほぼ同じなので気が合います。女性の大工さんもいますし、年上の人もいます。人生経験を積んでいるクラスメイトとあれこれ話す中で、ものの見方、考え方も変わっていきました。人間的に成長できた感じがします。
─カレッジ生活もあと5カ月ですね。卒業制作は。
「床の間班」に属して、今、「網代(あじろ※)天井」に取り組んでいます。網代は今、作れる人が少なくなっているようですし、製作法は先生にききながら試作しているところです。
※網代……杉や檜(ヒノキ)の薄板などを手織り風に編んだもの。茶室や床の間、天井などに使われる。
─最後に、カレッジに興味を持っている人、入学を検討している人に一言。
建築で仕事をしていくなら、絶対おすすめ。くれば元気になれる、成長できる!とにかくくればいいじゃん。
競技大会の大野さん
カレッジ研修生は、建設産業で働きながら2年間学び、建築スペシャリストをめざします。現在、第21期生(来年4月入学)を募集中!授業見学は大歓迎です。お問い合わせは、支部またはカレッジ(5950‐1771)まで。