世界の労働者と連帯し
核なくす運動の先頭に立つ
東京土建は4月27日から始まったNPT再検討会議に日本原水協代表団1058人の一員として人見大委員長(東京原水協副団長)、年森隆広書記次長、中村隆幸組織部長、佐藤正雄書記、青年部から高橋翔日野支部青年部長の5人を派遣し、東京土建の仲間の集めた11万1228筆の署名を国連に届けるとともに、4月26日には国連本部に向けてのパレードなどの行動に参加し「二度と戦争のための工事をしない」とする日本の建設労働者の決意をアピールしました。行動の趣旨とともに、人見委員長、中村組織部長、高橋日野支部青年部長の報告の一部を掲載します。
はっぴに地下タビ横断幕掲げデモ
多くの世論を味方に
憲法改悪を阻止し9条守る
ねじりはちまきと地下タビの人見委員長(左端)を先頭にそろいの東京土建のはっぴでアピール
【板橋・大工・人見大記】戦後70年の節目の年に日本原水協代表団の一員に加わり、私自身、新たに「核兵器のない世界」を作る大切を実感させられた体験、活動でした。
日本は人類初の被爆国で、いまだに地球上に数多くの核が配備され人類の生命を脅かしているのも現実であって、国家の安全保障の手段として核を保有する国があり、「核が抑止力」なるがごときを叫ぶ、日本政府の動きは大変危険で、間違っていると思います。
私たちは渡米後、タイムズスクエア付近の署名活動で、言葉は通じなくとも「世界から核兵器をなくそう」とする思いはニューヨークも日本も変わらないと思いました。
国連本部へのパレードと署名提出行動では日本らしいアピールができるよう日本から準備してきた東京土建の名前が入ったはっぴを身につけ、元気に行動ができました。
労働者との交流会では、米反戦労働者連合(USLAW)のマイケル・スウェイクさんの「働くものとしてくらしを根底から破壊する戦争、とりわけ核戦争を阻止しなければならず、国際の連帯が大切」であるとの報告に、その通りと感じました。
核兵器をなくす運動を私たち労働者や世論を味方に「若者を二度と戦場におくることのない社会にしよう」との発言は私たち東京土建第68回定期大会の提案・方針とすべて一致する内容の集会であったと再確認しました。
国際シンポジウムで印象的だったのは、パネリストとして参加したセルジオ・ドゥアルテ(元軍縮国連上級大使)さんが、前回の再検討会議で核廃絶を訴える署名の到着が遅れるなか、時間をとってあらためて代表団に署名の内容をよみあげさせ、その後会場外に積みあげられた署名を確認するため、現場まで訪れ自分の目で確認した話に、核兵器のない世界にしようと力をつくしていただける人だと実感しました。
このように、全世界の労働者、組合と連帯できたことをはじめとする経験をさせていただき感謝いたします。
今後も「憲法改悪を許さず、9条を守り、核による抑止力を認めぬ運動」を東京土建の仲間の皆さんと行動し、運動を進めることをお誓いし、代表団の一員としての報告とします。(本部委員長)
若者に智慧と勇気を
再び戦地に向かわせぬため
国連本部まで元気にパレードし、署名提出行動を行なった
【日野・電気・高橋翔記】私は27歳、東京土建加入2年半の組合員であり、青年部所属の若手であり、電工であり、零細企業の経営者であり、1児の父親である。
2014年夏の『広島の原水禁世界大会』に参加し、今回の『ニューヨーク行動』の経験を、していない青年たちに、同じ若手として感覚の近い言葉を選び、報告する。
ニューヨークでの署名活動、外国人は中途半端な反応はしない。忙しくても署名するか、賛同できないと「ノーセンキュー」と返してくる。意外に短時間で署名を集めることができ、貴重な体験になった。
国連本部までのパレードは世界中から集まった反核・平和の意思を持った老若男女が国境を越えて、平和を訴える姿は人類の可能性を感じた。
いま、日本はアメリカとの外交問題で、憲法を改正しようとしたり、戦争できるようにしたり、兵器開発製造を再びできるようにしたり、しまいには事故を起こしいまだに解決できない原子力発電所などを海外に売り込んだりと、これからを生きる若者にきびしい社会構造にしようとしているが、この話にしっかり耳を傾けている10代・20代・30代が少ない。一番の被害者になるのはこの世代であり、産まれてくる子どもたちだ。
青年世代に智慧(ちえ)と勇気と行動力を与えなければ、若者がこの後、楽しく生きる社会はこず、家賃のためにボロぞうきんのように働いても最低限の生活ができるかどうかといった日がくる。セーフティーネットで生きればいいか、政治家は頭が切れる、智慧の足りない人間を生かさず殺さずにしておくルールを作るのは朝飯前。そんなルールに変えられても気づかず、仕方ないとうずくまるだけ。
今年は戦後70年で、これからの日本のあり方を決めていく重要な時期でもある。また昔の日本に逆戻りする可能性まで見えてきた。アメリカのように格差が広がり貧しくなれば、生きるための働き口として皆兵士になるだろう。
国を動かす連中の思い通りに動かされ、自由を奪われ、そのまま死ぬのか。今こそ、青年は気づき立ち上がらなければいけない。世界が核兵器反対や平和を願っていることをぜひ、しってもらいたい。
この数十年、先人たちが守り抜いてきた日本の絶対ルールが崩壊しようとしている。これから日本でもテロが起きるかもしれない。日本も戦争に参加していけば、報復される。その被害者は皆、戦争に導いた人間ではなく、民間人や第一線に行く兵士だ。それは自分や家族かもしれない。
あらためて『平和』と『戦争』を考えてみよう。平和は今を生きる人間が、未来の子どもたちに絶対に維持していかなければならないもの。考えることからすべて始まる。アタマをつかえ青年たちよ。僕たちが未来をつくる。未来をつくり、いまのトレンドを産み出せるのは、唯一若者に与えられている特権である。(日野支部青年部部長)
現地でも70筆を集め
建築職人として平和訴える
【杉並・建具・中村隆幸記】
4月26日(日)行動開始
署名に応じてくれた人と握手する人見委員長(左)と高橋日野青年部長
今回の使命はこれまでに集めてきた核兵器廃絶を求める署名を国連の要人に手渡すこと。そう、唯一の被爆国である日本の核兵器廃絶を願う世論をNPT条約参加国に伝え、再検討会議にて具体的な成果をかちとること。
なおもアメリカの地で署名行動。ブロードウェイW57thで東京自治労連プラス東京土建の派遣団がカタコトの英語?とアピールの横断幕で署名を呼びかける。
人見委員長のはっぴに地下タビ姿や自治労連の着物姿のお姉さま。そしてLEDライト付ボールペンの威力や伝統文化の折鶴を駆使して午前中70筆を上回る署名を集めた。そう、日本の建築職人と東京土建の代表として核廃絶と世界平和の願いを国境を越え共有してきたのです。
13時からユニオンスクエアーで1万人規模の集会。その後国連本部前のハマー・ショルド広場までパレード。
広場に山積された署名は426人が53万5395人分を持ち寄って合計633万6205人分。これをアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表と第9回NPT再検討会議のタウス・フェルーキ議長に提出し「署名の趣旨である核兵器禁止条約の交渉開始を全加盟国に伝えてほしい。世界の良心に照らしてお願いする」と訴えたところです。
「核軍縮は市民一人ひとりの行動があってこそ。それは署名です。署名を届けてくれたことに感謝します。とても心強いです。核軍縮は正しいこと」とケイン代表。
フェルーキ議長は「正しい目的に向かって正しい活動している。核軍縮は政府だけですることではありません。市民一人ひとりの行動があってこそ実現できます。署名は自分自身の意思を表明することができるもの」と私たちの努力を高く評価しました。
4月27日(月)
午前中から全労連・アメリカ反戦労働者連盟(USLAW)交流集会に参加。
USLAWからはマイケル・ズウェイグさんが労働組合のやるべきことは「平和と労働者の権利を守ること」とあいさつ。そして参加団体が自分たちの取り組みを発言し、交流を深めたところです。
そう!
唯一の被爆国 日本
そう!
平和憲法9条をもつ国日本
午後からは「ともに核兵器のない世界へ新たな地平を開こう」と題した国際シンポジウムに参加。セルジオ・ドゥアルテ元軍縮問題担当国連上級代表、ホルヘ・ロモナコメキシコ軍縮大使などをパネラーに議論。
「安全保障に駆け引きは通用しなくなった。なぜ?核兵器を作り続ける必要があるのか?」、「唯一の被爆国の日本。19万人の被爆者がいまだいるんだ」と。その国のみんなが口を開いて、声を上げれば変わる、平和な社会のために。(本部組織部長)
署名633万筆を提出 保有国に核廃絶迫る
【日本原水協事務局長・安井正和さんの代表団会議報告】私たち日本原水協は、ことし被爆70年を、核兵器廃絶実現の決定的な転換点とするために、核兵器全面禁止の世論結集に全力をあげることを固く決意し、当面する最大の行動として、このNPT・ニューヨーク行動に全力をつくしてきました。
この間の核兵器廃絶をめぐる動きを見ても、核兵器全面禁止・廃絶の世界的流れと、これまでの合意に背を向け、「核抑止力」論に固執する核大国との対立が浮き彫りとなっています。核大国の横暴を許さず、新たな前進をきりひらくために、今回のNPT再検討会議は、核兵器全面禁止・廃絶の世論結集のきわめて重要な焦点です。
私たち代表団は、今回のNPT再検討会議で、NPTに責任を負っているすべての国の政府に、2010年NPT再検討会議の合意の履行、核兵器禁止条約の交渉開始に踏み出すよう求め行動すること。そのために、「核兵器全面禁止のアピール」署名に託された核兵器全面禁止の願いをNPT再検討会議に伝え、反映するために署名の現物を代表団員によって可能な限りニューヨークに運び、国連本部前(ハマーショルド広場)に積み上げ、NPT再検討会議議長と国連代表に提出する。これを任務の第1にすえ、633万6205筆の署名を提出することができました。
そして、4月27日に第9回NPT再検討会議が開会しました。昨日の私たちの行動は、会議に反映するのか、かたずをのんで注目しました。
軍縮のチャンピオン 潘国連事務総長が感謝表明
開会総会で国連事務次長が読み上げた潘基文事務総長のメッセージでは「市民社会は核軍縮において、われわれを導く役割をもっている。フェルーキ会議議長がこの会議成功のために集められたさまざまな署名を受け取った。それらはわれわれに市民社会が力強い希望と期待を持っていることを教えている。軍縮のチャンピオンに感謝を表明したい」、「被爆者のメッセージは、あらゆる人びとに訴える。彼らの瞳を見つめよ。核兵器が何をもたらすかをわれわれはしるだろう」と私たちの署名についてしっかりふれられていました。
みなさん、私たちがこの4年間、粘り強く、集めた署名は、世界189カ国の政府代表に伝えられました。
被爆国日本の役割は大きい
「核抑止力」論にしがみつく勢力を世論と運動で追いつめ、被爆70年を核兵器廃絶の転換点とするため、市民社会の役割、中でも被爆国日本の私たちの運動の役割のきわめて大きいことを、昨日の行動でますます実感しました。
NPT・ニューヨーク行動の取り組み後には、原水爆禁止2015年世界大会を成功させ、その成果を次の行動へと前進させましょう。