第68回大会に参加した仲間のみなさんに、2日間の議論をふまえ「賃金の引き上げと若い人の建設産業入職をどうふやしていくか」、「組合活動の後継者をどう育てるのか」のいずれかについて考えたことを書いてもらいました。
若者が誇れる仕事へ
賃上げと社保加入は大前提
大会では若手技能者を育成する東京建築カレッジ入学者確保の訴えもあった(写真は青年技能競技大会で銀賞の報告をする江戸川の氏平達也さん)
【練馬・ダクト・鎌田義昭記】低賃金・3K産業に若者に入職・定着してもらうには、賃金引き上げ、社会保険加入は大前提です。
くわえて、夢の持てる魅力ある産業でなければなりません。それを確かめるために「私の施工マップ」作りをススメます。
東京全図(地図)に、自分で施工した現場を書き込んでいく。現場が今も残り、使われ、人、公共の役に立っているのが実感できる、こんな仕事はめったにない。
もうひとつ、くたびれ気味のわれわれですが、彼らが目標にしたくなるようなチョッピリカッコいい社長、親方、先輩になりたいものです。
建設産業民主化はわれわれの責務だ。
引き上げ分現場に
支部で宣伝運動強める
【東村山・大工・小川芳雄記】私は今回の本部大会に参加し、東京土建のすばらしさにあらためて感激しました。
私が参加した分科会は賃金です。設計労務単価が上がったといっても、実際は労働者の手元にいまだたどり着いていないのが実情だと思います。使用者(労使)関係が若者の育成に左右するのかと思います。実際、私の所属する群の3年修行していた若い職人が「建設業は将来不安があるから」とその母親が親方のところにきてやめたという話でした。
これが今の建設業の現実だと思います。賃金を見ても全産業にくらべても低い賃金がすべてを物語っています。
だからこそ、これからも東村山支部でも現場宣伝や設計労務単価引き上げ分を現場に届ける運動に力をいれ行動していきます。
40代の新分会長を
私たちがサポートし支える
【日野・空調・西村滋雄記】この前の6役会議で分会総会について話したのですが、話題の中心は「役員決め」。人材があがってこない上、今の役員の顔を思い浮かべると60代前後の顔ばかり。
ゆいいつ、昨年より役員になってくれた若い40代前後の仲間がいて、その仲間が来期から分会長。めでたい、めでたいと思いながらも、それに続く若い人がいないのです。今大会でも話題になっている後継者の問題、町場の分会である私のところでもその通りなのです。
しかし、せっかく若い分会長を迎えたのだから、私たちは彼のサポーターとなり、彼と力をあわせて、若い人への影響を広げていきたいものです。彼を中心に若い人の核をつくり、仲間の輪を広げていく必要があります。
来年、再来年の分会の中心的役員になっていることを願い、若い人びとのエネルギーと今までの仲間の経験と情熱をあわせて、若い人を育てて、組合活動の後継者を育てていきます。
信じまかせてほしい
「若手はいる」見てないだけ
【杉並・大工・塚原恒平記】最近、若手育成の話題が出ている中、やはり高齢役員が意見を交換しても、若手の考えを理解しきれず、自分の意見を押し通してしまう。
まずは若手を信じて、任せてみることが大切なのでは?信じられず「それではダメだ」という言葉が育成の邪魔をしている気がします。
分会内で「うちには若手がいないから!」と大きなため息ばかりついていては、せっかく出てきている若手をダメにしてしまいます。
そうではなく、若手の意見をきき、その意見をどう活かすかを悩むべきでは。
役を交代してからは、「あとは任せたからオレはしらない」ではなく、サポートとして後押しが必要です。
この意見は何度も出てきていると思うが成果がないのは、やっていないからだと思います。
何度もいいますが「いない」のではなく「見てあげてないだけ」。もっと周りをよく見て、昔の職人の動きと現在の職人(若手)の動きをしるのも育成の一つと思います。
「まず参加」だいじ
意見をきく会も設ける
【品川・クロス・小林勇記】後継者をどう育てるか、若い人たちにいかに組合活動に参加してもらうか。どの支部、どの分会でも頭の痛い、急を要する大問題です。
大井分会では拡大の前にいろいろな催しものを考えています。春は横浜中華街に行ったり、水上バスで観光のあと、食事会をしたりしました。
秋にはバーベキューを開催しています。そのほかに住宅デー、バスハイク、ボウリングなどを折りこんで、なるべく30代~55歳ぐらいの人たちに出ていただき、まず参加してもらうことがだいじです。
だんだん親しくなり、最初は活動の少ない部分から組合活動になじんでもらい、慣れていただくしかないと思います。
また、近いうちに若い組合員仲間を対象に意見をきく会を持ちたいと思います。
拡大も育てることも、地道に根気よく接していくしかない。これからも前向きにがんばっていきます。
これからの人づくりへ
求められる学ぶ場
【江戸川・畳工・高梨俊一記】私は本部大会はまだ3回目ですが、だいぶ雰囲気にもなれました。
今組合は、組合活動、とりわけ大衆運動を理解をしてもらうことがふつうの組合員の課題だと思います。
私は支部財政部長としても金銭の有効な使い方が必要だと思っています。
「後継者をどう育てるか」ですが、先日、年配者の職人との話の中で「昔は昼休みに若い職人と会話があった。今はみんなスマホに夢中で技術的な話もない」。いかに人と人との会話がだいじかがわかります。
今回の本部大会の分散会の中で、各支部とも若手の参加にはいろいろアイディアを出していて感心しています。
そこにあつまった人に、組合の中身を学んでもらい、組合員および国民のために役立つ人を作るのが、これからの課題だと思います。
呼びかけていくことが大切
【清瀬久留米・電気・尾富雄通信員】私の分会では組合活動に参加する人たちは、毎回同じメンバーになってしまっている状態です。
ほかの分会でも同じことが見られます。
新しく参加者を出すには、群会議でお金を払ったら帰ってしまう人や毎回本人のかわりにおくさんがくる人、その人たちには組合の制度や魅力をしらない人も多いので、そのことをしってもらう必要があると思います。
また、組合活動、運動というよりは、まずは分会のレクレーションや住宅デーに呼びかけをして、参加してもらうようにしていくことが大切です。
そういったところから、少しずつやって行かないと、新しい活動者は出てこないと思います。
スマホ活用術若者にいかが
【荒川・大工・横川佳太郎記】「組合活動の後継者をどう育てるのか」、私が考えるに、若い人が興味あることで参加をしてもらうことです。
たとえばスマホ活用術とか、共済制度の周知徹底をしたほうがよいと思います。
大会参加の仲間の声
組合の魅力を家族ぐるみで
【八王子・電気・加藤信博記】支部・分会の取り組みとして、年間をつうじ仲間とその家族を誘って参加できるイベントを計画、実行し、今まで参加したことがない仲間にでかけてもらい、組合の魅力をしってもらう機会を作っています。また、住宅デーや拡大行動のなかで、意識改革を広めていけるような空間づくりにも努力しています。
あと、とても大切なのは家族の協力と理解だと思います。組合への理解を深めてもらい、家族からも「組合活動に行きなよ」といってもらえるような雰囲気を作ることも大切だと思っています。
にない手育成に全力そそぐ
【狛江・大工・星勝記】長引く建設不況の影響で事業は継続できなくなり、技術の継承もされないまま廃業に追い込まれていく状況がおきています。
こんな中で、後継者を育てていくことは大変むずかしいことです。
しかし、事業者として、これからの建設産業のにない手を育成していくことに全力を注ぐとともに、若者世代が産業に入ってこれるような賃金労働条件改善に組合と一緒になって進めていかなければと思います。